前のページではセルに設定されている数式のうち、
掛けるものと掛けられるものの番地を1つずつ同じようにずらしながら次のセルにコピーしていく方法を学びました。(相対参照)
今回は前回と同じ掛け算なのですが、
上の写真のように「購入額」は毎回違うのでずらしていき、
「手数料」は毎回同じなのでずらさずに固定して計算できるように
コピーしていきたいと思います。
今回もオートフィルを使ってコピーしていくのですが、
ずらさずに固定してコピーしていくには「絶対参照」という機能を使うことが必須になります。
もしもここで前のページと同じようにオートフィルを使って「相対参照」を使いながらコピーしてしまうとエラーが起こったり計算結果がおかしくなってしまうためです。
そこで今回は前のページの方法(相対参照)だと計算結果がおかしくなってしまう原因を理解し、絶対参照を使うにはどうしたらいいのか、また絶対参照を使った時の結果がちゃんと反映されているかを見ていきたいと思います!
絶対参照を使う前に、前のページの方法(相対参照)を使った際、
エラーが起こってしまったり、計算結果がおかしくなってしまう原因を見ていきたいと思います。
(原因よりも先に具体的な絶対参照を使ってコピーする方法を知りたいという方は先にこのページの次の章をご覧ください。「計算するものを固定してオートフィルでコピーする方法(絶対参照を使う)」)
下の写真のようにB4番地には購入額に対する手数料を求める数式が入力されています。
(手数料を求める数式が入力されている)
他の購入額に対する手数料も、前のページと同じようにして求めるならば、B4番地のセルを選択してオートフィルを使いB8番地まで引っ張れば良いのですが・・
(B4番地からB8番地まで引っ張る・・)
これを行うと下の写真のようにエラーが起こったり、
計算結果が全然違うものになってしまいます。
(エラーが起こったり計算結果が全然違う)
こうなってしまう原因とは一体何なのでしょう。
実はこうなる原因は「相対参照」という仕組みにあります。
今行った操作だと、B4番地に入っている数式の掛ける値と掛けられる値のセルの番地を一つずつずらしてコピーしていくという意味になります。
しかし、今回行いたい計算は「手数料」を一定としているため、
「手数料」の入っているセルはずらしてはダメで、
常にそのセルが数式に入るようにしないといけないのです。
つまりB1番地は常に数式に入っているようにする必要があり、下の写真のように計算をするわけです。
(今の数式➡正しい数式)
前回学んだオートフィルでコピーしていく方法では、
掛ける値、掛けられる値がどちらも自動的にズレていってしまいます。
そこで今回のような場合は、ズレないようにするために、
「絶対参照」(セルを固定できる機能)という機能を使っていきます!
絶対参照を使えば、オートフィルを使っても
常に同じセルを数式にいれることができます!
では「絶対参照」はどのようにすれば使えるのかを
次から見ていきたいと思います。
ここから絶対参照を使って数式を作る方法を見ていきましょう!
まずは、B4番地に「購入額×手数料率」という計算式を入れていきます!
そのためB4番地には「A4番地の値×B1番地の値」となる数式入力していきます。
実際に入力する時は、まずB4番地のセルを選択して、「=」を入力、
そのままA4番地をクリックして選択し、Shiftキーを押しながら「*」を押して、B1番地をクリックしていきます。
(B4番地のセルを選択して、「=」を入力)
(A4番地をクリックして選択)
(Shiftキー押しながら「*」)
(B1番地をクリックして選択)
ここで、B1番地の値は常にこの先も数式の中に入れたいので、
オートフィルを使ったときにズレないようにするために、
「絶対参照」を使います!
固定して数式に入れたいのはB1番地なので、
B1番地のセルを選択後、キーボードの【F4】キーを押します!
すると下の写真のように数式の中の「B1」が「$B$1」に変換されます!
(「B1」が「$B$1」に変換される!)
さらにもう一度【F4】キーを押すと今度は「B$1」、
そしてさらに【F4】キーを押していくと「$B1」、「B1」、「$B$1」と変換されていきます。
※【F4キーを入力すると・・】
「$B$1」➡「B$1」➡「$B1」➡「B1」➡「$B$1」と変換されていく!
結論から言うと今回の場合はこの中の「$B$1」となった時に確定していきます!
(キーボードの【Enter】キーまたはエクセル画面上の「✓」マークをクリック!)
(数式が「=A4*$B$1」となった時に確定!)
これで絶対参照を使った数式を作ることができたので、
オートフィルを使っても、掛けられる値は常にB1番地の値にすることができました!
この状態になったら、B4番地を選択してオートフィルを使い、
B8番地までドラッグで引っ張ってみましょう!
(B4番地を選択)
(B4番地の右下のポッチをドラッグしてB8番地まで引っ張る)
(B8番地まで引っ張るとA5~A8番地の値にB1番地の値を掛けた計算結果がB5~B8番地に表示される!)
(他の関係ない任意のセルをクリックして確定!)
これでオートフィルを使っても、
掛けられる値をずらさずに計算することができました!
今回のようにオートフィルを使う際に同じセルの値を使いたい場合は
この「絶対参照」を使うと良いでしょう!
(片方だけ「$」マークが付いている場合)
先ほど【F4】キーを押していった時に
「B$1」や「$B1」など片方だけ「$」マークが付いていた時があったと思います!
今回これらは使わなかったですが、実はこれは「複合参照」というもので下の写真のように縦方向にコピーした後、横方向にも同じ数式をコピーする時などに使います!
(縦方向に数式をコピー後・・)
(横方向にも同じ数式をコピーしたい)
ただ、この「複合参照」は少し複雑なので、今後追々覚えていけば大丈夫です!
今回マスターしたいのは「絶対参照」の方なので
まずは「絶対参照」を使えるようにマスターしていきましょう!
「複合参照」は「絶対参照」を使う時に操作上画面に出てきてしまう可能性があるため、紹介だけさせていただきましたが、今後「複合参照」について詳しく解説していくのでその時にマスターしていただければと思います!
1.オートフィルで数式をコピーするだけではセルの番地がズレてうまく計算できないことがある
2.数式の中で固定したいものがある時は【F4】キーの「絶対参照」を使う!
3.「複合参照」は今後追々覚えておけばOK!まずは絶対参照を覚える!
一通り把握したら操作に慣れるために練習問題をやってみましょう!
↑こちらをクリックすると練習問題をダウンロードできます!
(ダウンロード後、ファイルを開いたら「編集を有効にする(E)」をクリックして入力できるようにしてください。)
1.問題をダウンロードしたらB4番地に「=A4*B1」と入力していきましょう!(セルの番地を入力する時はそのセルをクリックすればOKです)
2.数式のB1番地を入力後「F4」キーを押して「$B$1」に変換し、確定しましょう!
3.確定後、B4番地でオートフィルを使ってB8番地まで引っ張ってみましょう!その時B5~B8番地に表示された計算結果が合っているか確認してみましょう!
今回の練習問題の解答はこの記事に書いてあるのでそちらを参考にしながら進めてみましょう。
お疲れ様でした!
次のページでは別のセルにも同じ文字や数字が連動して表示されるようにする方法について学習していきます。これを「セル参照」と言いますが、覚えておくと便利なのでぜひマスターしておきましょう!
次のページ:エクセル 別セルに同じ文字や数字を連動して反映!セル参照とは?
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【参考ページ】
■エクセルのオートフィルで連続した数字入力!できない時の対処法!